本当の自分と優しい自分の心身医学

本当の自分を生きたい人、優しい自分を生きたい人の心身医学です。1948年生 神戸大学医学部大学院(内科)卒 専門 内科 心療内科

子供たちの心の状態に心が痛みます

 大変心が痛みます。私たちは誰でもが、本当の自分に至れば、生き生きと喜んで生きれるはずなのに、人生を諦めている人が多いです。折角の人生なのに勿体ないことです。そして、それは子供たちに極めて大きく深刻な影響を及ぼしています。原因は新型ストレスです。
 自分を生きたい自分が大きく育っていますが、ごはんを食べるためには社会適応が必要です。ここに心の葛藤が起こります。自分を生きることを優先すれば、当然社会適応ができません。しかし、社会適応を優先すれば自分を生きられません。この葛藤が果なく続き、心身相関が悪化し、無気力、無感動になっていきます。
 新型ストレスでは、「自分を生きたい自分」を第1の自分、「社会適応しようとする自分」を第2の自分、第1の自分と第2の自分の葛藤の結果、「諦めている自分」を第3の自分としています。今の自分は、どの自分かを当てはめます。「しかたがない。人生はこんなもの。現実は現実。」などは、みんな第3の自分です。
 特に若い世代の新型ストレスが問題です。日本の15歳から29歳までの若者の10%、170万人がニートあり、32万人は「ひきこもり」状態だということです。さらに、35~59歳の“中年ニート”は123万人ということです。その殆どは、「自分を生きたい自分」と「社会適応しようとする自分」との葛藤による新型ストレスだと思います。
 その子供たちの心を見ていけば、とても苦しく辛い状態であることが分かります。自分を生きたい自分にとって、社会適応の能力を身に付けることは、自分を抑えることですから意欲が無くなります。社会適応の能力は身につきません。一方、自分を生きることは、皆んなと離れて1人ぼっちになることですから怖いです。そもそも自分を生きるための明確な方法が存在しません。自分を生きるという能力も身につきません。 どちらの能力も付かないまま歳をとります。歳をとるほど、「何も出来ないのか、そんなことも出来ないのか。」と言われると思うと、傷つく自分になり、さらに外へ出て行けなくなります。これが引きこもりが慢性化する理由です。大変深刻です。
 お父さん、お母さんが、社会適応が良いと思っているかぎり、子供を追い込むことになります。社会適応を優先する物の時代の考えや方法では新型ストレスを強化するだけになるからです。良いと思ってしていることが、むしろ逆効果になっています。
 解決のためには、「お父さん、お母さんが、人間の本当の存在形態を知る必要があります。人間は、大きな生命の世界の中で医学的・科学的に生かされていて、衣食住と身の安全を得るために社会を営んでいます。存在価値は既に大きな生命の世界からもらっています、社会は競争ではなくて分業ですという人間の存在形態を理解し、本当の自分を生きることです。」と、いつも言っています。ただ、本当の自分を発見して、それを生きることは容易ではありません。そのために、本当の自分と優しい自分の心身医学 http://www.yuf.jp/ を開いて真剣にサポーターしています。

f:id:dmsasada:20180617093659j:plain